ブラックチェリープラム

都会のアリスのブラックチェリープラムのネタバレレビュー・内容・結末

都会のアリス(1973年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品もロードムービーの特色と思うけれど、ずっと見ていたい、旅していたいと思わせる。

31歳のうだつの上がらない、青年からおじさんになろうとする男と9歳の女の子がおばあちゃんの家を探して旅する話。旅路はNY〜アムステルダム〜ドイツ。

この映画は写真という記録が重要なアイテムになる。ニューヨークで撮った写真には、ひとが写っているものはなく、アリス(女の子)に「空っぽ」と言われる。
アリスに撮られた自分の写真を見るフィリップ(男)、おばあちゃんの家の写真、アリスのママの写真、証明写真に写る二人… そして二人が別れる前のフェリー上で初めてひとの入った写真を撮るフィリップ。
アメリカでの挫折から再び諦めていた物語を書こうとする変化が確実にある。
二人で遊んでいるゲームの中でアリスが言う「夢なんてダメ。あるものにして」、ヴィムらしい、刺さる台詞が私に残る。

何度でも観たい映画です。忘れられない旅です!