レオピン

Q&Aのレオピンのレビュー・感想・評価

Q&A(1990年製作の映画)
3.6
Q&Aとは、警察による尋問調書。

シドニー・ルメット監督作品。無骨な作品が多い印象。前にも観たが見事に忘れてた。

本作もアイリッシュの刑事を主人公にプエルトリカン、黒人といったマイノリティの刑事を配置し、警察内の人種関係や裏切り、腐敗などを描いてみせる。
ブレナン刑事を演じるニック・ノルティには悪の魅力がたっぷり詰まっていた。ゲイのタレこみ屋とその愛人を始末する所なんかもういやらしいなんてものじゃない。『バッド・ルーテナント』そのもの。

おおむね好きな作品だがいくつか不思議な所も。
アルの元カノのナンシーとの関係。「肌の色」が原因で彼女との恋に躓いてしまったようだが、混血の彼女から父親が黒人あるいは有色人種だと分からなかったのか?
いや分かっていたんだけれども、つい咄嗟に差別感情が顔に現れてしまったという事なのだろうか。

あと検察の殺人課課長クインが25年前に実はギャングだったという設定も、年齢的にちょっと違和感。。

それとエンディングのいかにもとってつけたかのようなシーン。
事件は一件落着とはならず、検察にとってもことが重大すぎてクインの犯した罪を表沙汰にするには問題が大き過ぎた。だから今回はブレナン刑事1人がイカレてたって事で手を打てと言われ、茫然として事務所の窓ガラスを叩き割るアル。
だがその後ナンシーが潜伏している島へ渡り彼女の許しを請う場面はちょっと蛇足の感。

主演はティモシー・ハットン。90年代はあまりパッとしなかったよう。ニックにも終始押され気味だった。
ヴァレンタイン刑事に売れる前のルイス・ガスマン。相棒の黒人刑事チャッピーにはチャールズ・S・ダットン、『エイリアン3』が懐かし。
プエルトリカンのギャングボビーに尾崎紀世彦、いやアーマンド・アサンテ。
マフィアの大ボスにレオナルド・チミノ。見た顔だ。下條正巳の親分みたいな妙な存在感。昔のTVドラマ「ビジター」に出ていたっけな。
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