玻璃

リリイ・シュシュのすべての玻璃のネタバレレビュー・内容・結末

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ついに見てしまった.....
ネットで色々情報見て想像していたよりは直接的な表現が少なくてほっとしたけど、それでもやっぱり火傷のようなヒリヒリする痛みはずっとある。何か大きく事が動くわけでもなく、続く地獄。これが現実。
見終わった後は何かが胸の中で渦巻いてて、でもそれを言語化できないから消化不良起こしてるみたいにムカムカする。すごい映画だった。

客観的に見ているようでもあり、物語の中に入ってるようでもあり、全編2時間半のはずなのに1時間すらないくらいの体感で、なんだかぼーっと見てるしかなかったけど、すごく印象に残ったところがある。


久野のことを気にする雄一に津田がかけた言葉。
「きっと大丈夫だよ。強い人だから。」
その言葉の通り、久野さんはズタズタに傷つけられながらも生き続ける選択をしたけれど、気丈に振る舞っているように見えた津田は突然に、あっけなく死んでしまう。
とはいえ、彼女は正確には死にたかったのではなく、星野の呪縛から抜け出し自由に空を飛んで、どこか違うところへ行きたかったのだろうけど。

そして、デブになったら仕事しなくていいかな、モヒカンにしたらいいかな、と逃げるための選択肢を口にしながらも、それができなかった津田。
対して丸坊主にすることでNOを突きつけた久野。
どっちが良い正しいとかいう話ではないけれど、傷つけられた女の子2人の対比がすごい。

久野が何をされるのか分かったうえで連れて行っておきながら涙を流す雄一も、痛めつけろと言っただけでレイプしろなんて一言も言っていないと宣う神崎も、女を痛めつける=レイプという発想になる男も、神崎が久野をいじめたがっていることを知っていながら編曲者が久野なことを最後わざわざ神崎に教える委員長も、全部全部気持ち悪い。だけどこの世は気持ち悪い人間で溢れてる。気持ち悪くない人間なんてきっといない。

無料公開終了直前に見て、見終わったのは夜中だったからとりあえず寝て、今思い出しながら書いているわけだけど
また胸がムカムカしてきて叫び出したくなった。
玻璃

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