タカシ

リリイ・シュシュのすべてのタカシのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
2.1
『童貞感とは一応褒め言葉ではある』


昨年の大ヒット作「君の名は。」を評して『童貞感のある映画』というのを見たことがある。
この辺りの事はそれぞれで調べていただくとして、私はこの岩井俊二にも童貞感を感じてしまう。
それは中二病感と言い換えても構わない。

したがってこの作品が大好きという青少年がいるのは当然だし、私がまだ青少年である頃この作品を観たら大好きになっていたかもしれない。

こんな事を書くのはもちろんこの作品が自分に合わなかったからに他ならない。もっと言えば、理解するための取っ掛かりがまったく見つからなかった。

まずこの作品がPG12作品でないことに驚く。
窃盗や暴行を万引やイジメと言い換える現実には本当に辟易するのだが、本作ではそれが当然のような顔をして出て来てうんざりする。
援交やレイプが今どきの中高生のリアルなわけ?
レイプ犯はみんな後ろから刺されて死ねばいいのに。
証券(小切手?)やらリアル札束取ると普通は捕まります。
それが沖縄旅行? はっ!
タバコスパスパ吸うくらいもはやどうでもよくなるよ。
札束取られるのがなぜか唐突に樋口真嗣監督で、なにこれ笑うとこなの?笑かしてごまかそうとしてる?と困惑レベル。
問題のケリの付け方も中途半端で、アンチクライマックスのつもりなのだろうか?

ルパン三世のサブタイトルが出るときの、タイプライター音はいまだに超カッコいいのに、本作のキーボード叩く音はすっかり時代遅れになってしまった(これは岩井監督のせいじゃないけど)。入力された言葉が変換されるとき一瞬暗転するのもチカチカして目に毒。

という訳で「僕の考えた中高生のダークサイド」臭が漂う作品。
もうねマジ分からんですよ。
ただ、蒼井優や伊藤歩の若き姿を永久にフィルムに焼き付けたということのみ大評価します。
岩井俊二監督ファンの皆様本当にごめんね。
WOWOW(17.09.24録画)17.09.24
2017#131
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