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死神の谷/死滅の谷のENDOのレビュー・感想・評価

死神の谷/死滅の谷(1921年製作の映画)
3.8
ラングの古典的な大時代的な表現はサイレントの大袈裟なリアクションと相性がいい。先妻テア・フォン・ハルボウの影響か。劇中劇が3つある。全て悲劇で、それぞれ酷い最後が待ってる。アラブでは生首。イタリアでは恋人を誤殺。中国では虎と千手観音に変身し射殺。フォントがその国に合わせたカリグラフィで凄まじかった。美術も豪華絢爛で驚嘆する。端正な西欧と、過剰な東洋。全体的にオリエンタリズム満載で、差別ではなく見世物小屋感が強い。映画はアトラクションなのだ。現代の均一化したテクノロジーとモラルの観点から2度と作ることができない稀有な映像体験でした。笑いが起きるほどド直球なお願い。例え辛い人生だろうが、どれだけ長い時間を生きようが、自分の命は一呼吸とてやれない。何故か身につまされた。
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