爆裂BOX

ウェス・クレイヴン’s カースドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.6
ロサンゼルスのTV局に勤めるエリーと弟ジミーはマルホランド・ドライブを車で走行中、突然何かがフロントガラスに衝突し、はずみで対向車に激突してしまう。その後、エリーとジミーは何かに襲われ、対向車の女性は惨殺死体で発見される…というストーリー。
ウェス・クレイヴン監督とケヴィン・ウィリアムソン脚本の「スクリーム」コンビで贈る狼人間ホラーです。
女性を惨殺した謎の獣に噛まれたエリーとジミーはやがて自らの体に変化が起こり始め、狼人間の呪いにかかったことを知る。呪いを解くため、自分達を襲った狼人間を突き止めようとするという内容です。
ウェス・クレイヴン監督作だからという訳じゃないかもしれませんが、キャスト陣が豪華ですね。主演にクリスティーナ・リッチ、弟役にブレイク前のジェシー・アイゼンバーグ(今と見た目全然変わらない)、エリーの恋人役に「フリンジ」のジョシュア・ジャクソン、ジェイクに色目使ってエリーにも絡んでくる嫌な同僚役に2018年版「ハロウィン」や「ジュラシック・ワールド」に出ていたジュディ・グリア、ジミーを「ホモ野郎」とイジメるジョックスボー役にマイロ・ヴィンティミリアとB級ホラーとしては豪華な面子。
狼人間に噛まれてから嗅覚が異常に鋭くなったりと変異していく身体に戸惑う姉弟がメインに描かれます。弟ジミーはいじめられっ子のオタクキャラでしたが(やっぱりこういう役が似合うジェシー・アイゼンバーグ)、身体能力アップしていじめっ子のレスリング部員を入部テストで叩きのめしたり、セックスアピール増して女子にモテたりする所は楽しかったですね。もっと噛まれて変異したことで好転していく青春ドラマ見たかったですね。
狼人間はCGと着ぐるみ使ってると思いますが、造形的にはオーソドックスな物でしたね。ただ、変身シーンのCGはちょっとチープな感じがしたし、やはり特殊メイクでやってほしかったな。折角リック・ベイカーが参加してるんだし。
序盤で襲われた女性が上半身だけになってまだ這いずって逃げようとしたり、最後の戦いで首チョンパあったりしますが、そこまでじっくり映さないし映像が綺麗なのもあってかグロく感じませんでした。
いじめっ子ボーが家訪ねて来てまさかの告白する所は笑ってしまいました。そこからジミー噛んで呪いが伝染ってオオカミ化した飼い犬ジッパーに襲われて一緒に行動することになりますが、前半の青春ドラマ展開から絶対ジミーが好意持ってるボーの彼女と一緒に事態に立ち向かうと思ってたから「お前かよ!」とツッコんじゃいました(笑)こっちがジミーのヒロイン的な立ち位置になってましたね(笑)おかげであの女の子影薄くなっちゃった(笑)
後半の「誰が主人公達を噛んだ狼人間か?」という展開入れてくる所は「スクリーム」コンビだけあるな。まあ、割と早く予想付きますが。犯人との戦いも適度にハラハラできて楽しめましたし、「足はブヨブヨで肌はボロボロ」に「嘘よ!」と出て来て中指立てる人間味あふれる狼人間は新鮮だった(笑)
決着ついたと思わせて家に帰ってからの一波乱は「パニック・フライト」の終盤彷彿させました。ただ、ラストバトルどちらも人間のままで戦うのは物足りなかったな。どうせなら狼化して戦ってほしかった。ジミーが天井はいずりながら逃げる所は面白かったですが。
全体的にショッカー演出も抑え目で怖さはなく、ライトな青春ホラーという感じですが、中々楽しめる作品だと思います。