らんらん

抜打ち浪人のらんらんのレビュー・感想・評価

抜打ち浪人(1957年製作の映画)
3.5
東映、モノクロ、時代劇
出演者
大友柳太朗、花柳小菊、中原ひとみ、星美智子、伊藤雄之助
片岡栄二郎、三條美紀、松風利栄子、柳栄二郎
東宮秀樹、神田隆、星十郎、須藤健、明石潮、加藤嘉

【内容】
色々と細かいことは省くと
追われる身となった主人公(大友柳太朗)であるが、なぜかモテるので行く先々で女性に助けられながらなんとかなる、ってお話

色々と細かいこと
冒頭
時は天保8年(1837年)、大阪
大塩平八郎(神田隆)が乱を起こそうとしていた
門下生の大友柳太朗は決起に反対の立場を取り
葛藤して切腹した親友(片岡栄二郎)をスルー、ちょっといい感じだった女の子(星美智子)もスルーして江戸へトンズラする

前半から後半
大友柳太朗が江戸にきた目的は
大塩平八郎とも関係のある偉い先生(明石潮)と会うこと、そして尊王倒幕の思想を全国に広げる運動のための仲間集めだった

だが偉い先生は牢に捕らえられ処刑を待つ身、大友柳太朗も奉行所から手配されてしまう
そして大友柳太朗を敵視する加藤嘉一味からも追われる身となってしまう
※加藤嘉とはかつて三條美紀を取り合った恋のライバル(加藤嘉がモノにした)

さらにはかつて大友柳太朗に剣の試合で敗れた伊藤雄之助がしつこく一騎討ちを要求して追い回してくる

ってことで大友柳太朗は逃げるのに精一杯(江戸に居場所がないとか嘆くけどなんだかんだ女を頼る)

大友柳太朗の協力者
巾着切り(星十郎)、その妹(中原ひとみ)
かつての恋人(三條美紀)、その父(柳栄二郎)
芸者の姐さん(花柳小菊)、吉原の花魁(山村邦子)

【感想】
シンプルな勧善懲悪のエンタメ時代劇ではなく、結構シリアスなドラマって感じの映画

それなりに面白かったと思う
バッドエンドかな?とも思ったけどこういうラストになるとは予想できなかった(強引な展開ではあったけど)

ただ大友柳太朗がなぜかモテモテなのがちょっとムカつくw
大志を抱くみたいところとかチョイ悪みたいなところがモテる要因なのかなぁ?
劇中の描写見るにいい夫にはならないだろうなー(吉原通いしてるし、あちこちに女がいる)とは思うけど、当時は一人の女だけを愛するとかないからアリか 

・出演者メモ
花柳小菊は出番は多いけど大友柳太朗との関係性が薄いのでなんかパッとしない
中原ひとみはとにかくかわいい、あまり出番のないまま終わりかと思いきや終盤で盛り返す
伊藤雄之助は悪くはないけどそんなに良くもない、なんか不自然なキャラだった
加藤嘉、出演者では一番印象に残った、表情と声がゾクゾクする

・まとめ
今回の映画ではクレジット順がいつもに増して気になった
メインキャストの加藤嘉やたぶんヒロインの三條美紀の位置が低い
やっぱり格の順なんだろうなー、4番目の星美智子と6番目の片岡栄二郎は冒頭のほぼワンシーンしか出てこないのになー
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