Ark

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアのArkのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

2024-183
18世紀末のニューオーリンズ。最愛の妻を亡くし絶望の中で死を望んでいたルイは、レスタトという吸血鬼の男に出会う。彼によって吸血鬼に変えられたルイは目まぐるしく変わる時代の中で生き、現代で彼を訪ねてきたインタビュアーの青年に自分が生きてきた200年という年月の物語を語り始める。



久しぶりに観た。

ブロンドのトム・クルーズ、死者の如くボロボロになるトム・クルーズ(しかもちょっとグロい)、ゴシック衣装のトム・クルーズ、青い目のトム・クルーズ、これはなかなか見れない。彼はこの役のために8キロ減量し、髪も眉も金にしたらしい。
ブラッド・ピットはヒット前かな?イケイケの役をすると全部ファイト・クラブのタイラーを感じさせる男になるけど、若き日の彼はこういう儚げな美青年の役も似合うんだよな〜。

二度目の鑑賞でもやっぱり真の主人公はレスタトではないかと思う。
人間として死を望むドン底にいたルイは、吸血鬼になったら今度は人の心を捨てきれず人を殺さねばならない苦痛と葛藤に悩まされる。一方で、レスタトもルイに出会うずっと前から深い孤独を抱えていたように思う。ルイの半生はなかなか重いが、レスタトもクローディアに殺されかけるわルイは味方してくれないわで、まあまあ可哀想。

レスタトが吸血鬼になった経緯や過去はほとんど語られないが、ずっと孤独に夜を生きてきたと思うと切ない部分がある。クローディアは彼を憎んでいたが、元を正せば欲に負けてよりによって幼女の血を飲んだルイのミスが発端。レスタトはルイに人間の血を飲めと言ってきたのだし。

人間だったときの心を捨てられないルイの葛藤は突然吸血鬼になった者として当然だと思うけど、早く吸って楽になっちゃえばいいのにって思った(笑)

序盤の、2人の吸血シーンが色っぽくて困る。見てると、なぜか見てはいけないものを見てるような気分に……(笑)

クローディアがヒステリックすぎてうるさいよ!ってなる(笑)子供特有の貪欲さと奔放さ、真っ直ぐな言動が合わさって非常に面倒。
でもキルスティン・ダンストの演技は子供ながらすごい。

物語の設定上撮影は夜だったので、ブラッド・ピットは昼夜逆転と終始暗い役柄を演じたことにより心身ともに疲弊し参ってしまったが、トム・クルーズは逆に覚醒してギラついていったらしい(笑)
一説によると、顔の青白い血管は30分逆立ちして顔の血管を浮かせて描いたのだとか。

インタビュアー役は当初リヴァー・フェニックスが演じるはずだったが、彼の急死によりクリスチャン・スレーターが演じることになったらしい。
エンドロールの後“In Memory of River Phoenix 1970-1993”との表示もある。


初回レビュー 2022.04.04
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