ユースケ

宇宙戦争のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

宇宙戦争(2005年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

初代【ゴジラ】の初登場シーンにオマージュを捧げた山の向こう側から姿を現し、唸り声を上げる巨大なトライポッドで掴みはOK。

H・G・ウェルズによるSF小説【宇宙戦争】を【マイノリティ・リポート】の監督スティーブン・スピルバーグ×主演トム・クルーズのコンビが映像化した本作は、巨大なトライポッドが逃げ惑う人々を灰に変え、建造物をぶち壊す怪獣映画。

とにかく、大量の死体で埋め尽くされた川、炎に包まれたまま疾走する列車、車を奪い合いフェリーを奪い合う人間の群れ、そして、地平線の先まで広がる人間の血で真っ赤に染まった大地など、世界の終末をビンビンに感じさせるビジュアルは必見。

主人公が逃げてばかりでつまらないと言われている本作ですが、戦うよりも逃げる方が現実的でリアル。息子からも娘からも信頼されず、ピーナツバターを塗った食パンを窓に叩きつけて八つ当たりしていたダメ親父が、家族を守り抜き立派な父親に成長していく姿は感動ものです。

クライマックスの人類の兵器が全く歯が立たなかったエイリアンを小さな細菌が倒してしまうH・G・ウェルズの原作通りの皮肉の効いた展開は嫌いではないのですが、宇宙人が間抜け過ぎてちょっと残念。
怪獣大国日本へのリスペクトを感じさせる大阪だけがトライポッドを倒せたというエピソードでいい気分にさせていただけたので良しとしましょう。