このレビューはネタバレを含みます
冒頭の十数分間、ワンカットで幾つもの場面と時間をまたぎ、「ヒロインの幼少期」というひとつのシークエンスをひとつなぎで見せてしまうところから、一気に引き込まれた。
編集とは、観客の想像力をつなぐこと。
目に見えるAとBをつないで、目に見えないCを想像させるモンタージュ。それをワンカットで斬新にこなしている。
斉藤由貴、初々しい!
子どもだったのが「良い女」になる手前をよく演じてる。
鏡の前でポーズを決めるシーンにグッとくる。
ラストの「キスして」と言う台詞の後ろ、画面ど真ん中で、ピエロがふよふよしてるのにはオイオイオイと口に出たくらい面白かった。ありきたりなシーンにしたくなかったのだろう。
雨や雪や桜を降らせたり、水に反射する光を暗い部屋に入れたりと、何かと情景演出にも凝っていて楽しい。
殺人事件を扱っているのに「なぜ殺したのか」は重要ではないというのも、特殊な物語だと思った。