ダンクシー

ニュー・シネマ・パラダイスのダンクシーのレビュー・感想・評価

4.2
「自分のすることを愛せ。子供の時、映写室を愛したように」

全ての映画好きに捧げる、そんな映画だ。言わずもがなの不朽の古典的名作。
この時代は皆一喜一憂しながら観てて声出したりオーバーリアクションしてて楽しそう。やられたら嫌だけどね笑
メインはサルヴァトーレとアルフレードの友情だろう。2人の関係性は少しずつ変わっていくけど、それでも絆は、繋がりは変わらない。そしてこの作品は、アルフレードとの友情だけでなく、映画への愛、家族愛、ファンタジーのようだがどこか切ない恋、もメインとして描かれている。

特に、映画への愛は凄まじいほどた。数多くの映画好きが最高の映画と評するのも納得でしかない。
ラストは反則級。ずっとラブシーンをカットしていたアルフレード。欲しがるサルヴァトーレにやると言うも直接的にはあげなかった。しかし、最後には約束を守ったのだ。ずっと残していたことに、映画とサルヴァトーレに対する愛を感じた。映画史に残るラストだ。最近で言うと"バビロン"も、これに近い感情と余韻を抱いた。

「自分の仕事が嫌いなの?」
「もう慣れたよ。それに客席が満員になってお客が楽しんでると自分も楽しくなる。人が笑うのが嬉しい」

誰でも、本作で言うアルフレードのように映画を観る・好きになるキッカケを作ってくれた人がいるはず。自分にも当然います。映画の持つ力は大きい。人生経験や価値観に影響をもたらし、新しいことに出会わせてくれる。そんな映画の魅力に気づかせてくれた、出会わせてくれた人を思い出してしまった。皆さんにとってそれがどんな人物なのかは分かりませんが、少なくとも自分にとってその人は偉大な人です。今でも「なんで映画好きになったの?」と質問されたらその人を思い浮かべてしまう。恥ずかしいので言いませんけどね…笑

「"群衆は考えない。何をするか分からない"。スペンサー・トレンシーの台詞だ」

そして、アルフレードはシチリア島が世界と比べていかにちっぽけで狭くて小さいコミュニティか教える。世界は広いのだ。故郷を懐かしむな、帰ってくるなと言ってくれる人がどれほど素晴らしいか。
いわば、全ての未来ある若者にノスタルジーに浸るな、故郷を家を飛び出せというエールとメッセージを送っている作品でもある。
夢がある人は、夢を叶えたい人は、独り立ちしなければならないという事です。さあ、皆も夢を叶えて故郷に帰ろう!!
ダンクシー

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