このレビューはネタバレを含みます
再会を果たした二人の尽きないお喋り。
前作「ビフォア・サンライズ」から9年が経ちパリでの再会を果たした二人。夕刻までの限られた時間で二人が交わす言葉がスッと胸の内に入ってくる。セリフとしても語られているように今作を観ることで前作の印象そのものが変わっていくような感覚を覚えた。
前作に引き続き会話の中でお互いの価値観をぶつけ合い本当の愛や人生について語られるシーンで80分が埋め尽くされている。作品世界の中で9年が経過し二人が大人になったこともあり会話の内容がより哲学的なものへと磨き上げられていたように感じた。会話の内容のみならず二人の距離の取り方や落ち着きからも9年の月日がもたらしたものを感じ取ることが出来た。
しかし大人の落ち着きが作品に染み込んでしまったためにより静的な仕上がりになっていていよいよ読書をすること、との差異の無い作品になってしまっているようにも思えた。
