2024年12月18日 13:40~ テレビ東京 吹替え
有名な映画だが、実際、見てみると、あんましピンとこない。これはアーミッシュの映画なのである。たしか、アメリカには、文明的なものを一切受け入れず、交通手段も馬車を使用しているという、そういう人々がいることは知っていた。その人々を扱った映画なのだ。それで、主人公のジョン・ブックは、アーミッシュとは逆に、文明にどっぷり浸かった側なんだけど、その文明的なるものの、暴力性、守銭奴的な無教養性を、アーミッシュと対比することで、浮き彫りにしていくわけだ。
この映画を見ていると、文明人の方が、よほど、サル以下の下等で狂暴なけだものに見え、文明とは遠いアーミッシュの方が、よほど、理知的で、平和的な人間に見えるというのは面白い。
簡単にあらすじ。
アーミッシュのレイチェル、サミュエル親子が列車に乗っていた。途中駅でトイレに寄ったとき、サミュエルが殺人事件を目撃。その殺人事件の担当はジョン・ブック警部である。さっそく、ジョン・ブックは、サミュエルの目撃情報をもとに犯人捜し。
サミュエルが、あ、こいつだ、と指差した先には、なんと、麻薬捜査課の課長、マクフィー。このシーンが、けっこう、よく出来ている。マクフィー課長が、なんかの功績を上げて表彰されている新聞記事なのだ。それが誇らしげに張り出されている。
となると、当然、おい、小僧、んなわけねえだろ、と突っ込みたくなるが、その前に、サミュエルが、かなり賢そうな子だと、さんざん、表現しているのだ。だから、疑いの余地がないのだ。
これは、やばいぞ、身内の犯罪じゃんか、ということで、ジョン・ブック、すぐに、上司である、警察署副部長、シェイファーに注進するわけだ。この時点では、シェイファー、それは、大変なことだ。慎重に捜査せんといかんな。おまえも、気を付けろよ、みたいな感じだった。
ところが、ジョン・ブック、帰り際に、いきなり、マクフィー課長から銃撃を受ける。間一髪で脱出。
このとき、ジョン・ブックは、シェイファー副部長がグルだと感づくんだよな。
ソッコーで、レイチェル、サミュエル親子を連れて、アーミッシュ地区まで逃亡。途中で、同僚に、事件の資料をすぐに破棄しろと伝える。
ジョン・ブックは、ようやく、レイチェル、サミュエル親子をアーミッシュ地区に送り届けて、帰ろうとなったとき、実は、銃弾が当たっていて、ケガで動ける状態ではなかったのだ。
ということで、ジョン・ブックもアーミッシュ地区に滞在、というか身を隠す。次第に、アーミッシュの生活に馴染んだりする。
ところが、ジョン・ブックは、同僚が殺されたことを知り、町で、アーミッシュをからかっていたへなちょこをぶん殴ったりして、警察沙汰になってしまう。これで、居所がバレて、マクフィー課長、シェイファー副部長が乗り込んでくるわけだ。
なんとか、マクフィー課長、シェイファー副部長を倒したジョン・ブックなのだが、結局、後ろ髪惹かれる感じで、アーミッシュ地区をあとにするのだ。
こうしてみると、けっこう、ストーリー的には、面白そうなんだけど、なんか、ジョン・ブックが、アーミッシュに馴染んでいく長いシーンが、あんまし、面白くないのだ。
映画のタイトルの「目撃者」というのも、犯人の目撃、というよりも、文明人がいかに、野蛮なけだもので、逆に、アーミッシュの方が、理知的なんだよ、ということを目撃する、ということなんだろうな。