香港国際警察特攻隊員のジャッキーの下に、CIAから緊急指令が届けられた。
その任務とは、ナターシャというロシア女性をウクライナまで追跡するという一見簡単そうなものだったが…。
香港国際警察特捜隊員の活躍を描いた大型エンターテインメント映画。
香港返還の記念作でもあるらしい。
これ、邦題は『ファイナル・プロジェクト』だけど、洋題は『first strike』。
でも原題は『警察故事4』。
そう、実はこれ『ポリス・ストーリー4』なのです。
エンディングでおなじみの曲もながれるし。
タイトルが違えば、主人公の名前をはじめ設定は変更されているけども…。
マギー・チャンも出ない。
実際、3のスタンリー・トン監督が続投したため、前作以上にスパイ映画っぽくなり、『ポリス・ストーリー』シリーズの設定である必然性が感じられない不思議な作品。
なかなかシリアスな、『平和』『核廃絶』などの大きなメッセージをこめた作品です。
今回はウクライナ、オーストラリアと国際舞台で活躍するジャッキー。
最初は香港からウクライナへ。
今度はロシアへ行ったと思ったらいきなりオーストラリアへ…。
誰が敵なのか、誰が味方なのかが部分的に変わっていく。
相変わらずジャッキーの人間離れした演技には感動させられます。
見せ場は、見るからに寒そうな雪山チェイスと脚立を使ったアクション、そして水中での格闘でしょうか。
水中格闘は意外とちゃんと見ることができます。
サメとの絡みや酸素の奪い合いが、カンフーアクションの新たな可能性を感じさせます。
当時42歳の作品か・・・すごいなぁ。
早速当時流行の先端だったスノボー乗り回してるし。
しかも超絶ド球の雪山で…。
そしてハシゴや竹馬を使ったアクションシーンはジャッキーの十八番。
また、サメはじっとしていると襲わないというネタで、戦う2人がサメが近寄ってくるとジッと停止するおかしさ。
新しいことはないけれど、期待することは全部盛り込んだ、ベテラン俳優の安定感。
殴られたら痛そうだし、冷水に落ちたら寒そうだし、追いつめられたら心拍数があがってくる。
こういう共感はジャッキー映画の特徴だよね。
ただ、アクションを重視するあまりストーリーが単調だったり、シーンの切れ目がいきなりだったりとちょっと閉口する部分も。
晴天だったのがいきなり曇り空になったりと、細かい所で大雑把な面があるのは香港映画らしいけど。
少々シリアスな展開もあんまりジャッキーっぽくないかも。
それでも完成度は高いと思います。