ざわざわ下北沢のktyのレビュー・感想・評価

駅前開発前、小田急線が地上を走っていた頃の下北沢。当時の街の喧騒とゆかりの俳優陣が結集したダラダラした雰囲気を味わう作品。
あの人もこの人もカメオ出演する街の磁力を基底にゆるい物語が題名に似合う。
原田芳雄やフジコ・ヘミングがつぶやく街の特徴、集まる人々が醸し出すカタギになりきれない雰囲気、雑多な中に通底する無意識の美意識と生温い心地よさ。それらは駅前開発後も、より洗練され続いている。
開発で消えてしまった雑踏が16ミリフィルムに刻まれた意義は懐かしさだけだろうか？