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ウインドトーカーズのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ウインドトーカーズ(2002年製作の映画)
3.5
ジョンウー監督×ニコラスケイジ『ウインドトーカーズ』。

1944年6月、太平洋戦争、舞台はサイパン島。

サイパン島攻略の際の日本軍の拠点を軍部に知らせ、砲撃を先回りさせるための暗号を発信する“コードトーカー”を守り抜く。

サイパン島は太平洋戦争においての優劣の拮抗が変わる島。
サイパン島は日本側からすると陥落すれば日本の首都東京に爆撃機が届く距離に米軍を進軍させることになる。

それまでは日本軍はイケイケで、もっと南側のソロモン諸島などに侵攻していたが、米軍の進軍が止まらず。
サイパン島をそうした理由もあり、絶対防衛圏に定めて防御を強化した島。

そこを何とか落とすべく、と、何とか守り抜くべく、の血を血で洗う一進一退の死闘が繰り広げられるサイパン島が舞台。

ナバホ族の言語をベースにした暗号。
ナバホ族の兵を守るためにソロモンで傷を負いながら復員した兵がニコラスケイジ。

彼はソロモンでの経験が亡霊のように付き纏いながらも、何かに取り憑かれて、駆り立てられて前へ前へ進む。

しかし、このナバホ族の“コードトーカー”が敵に捕縛されそうになった時は、、、、暗号が漏れるわけにはいかない。

さすが、ジョンウー。
爆破が規格外。魅せる爆破の規模が桁違い。
白い鳩は飛ばなかったがカモメは飛んでた。

そして、この映画、ニコラスケイジが主演ではあるが、作戦の主役はナバホ族の彼、アダムビーチ。
先日観た『父親たちの星条旗』にもインディアン出の兵として出てた彼。
彼、この手の役は適役なんだろうな。
この、意志が強いが優しい先住民系の顔立ちから役柄がとてもハマってる。

そして、久しぶりに観たから忘れてたが、クリスチャンスレーターも出てた。
そして、久しぶりに観る醍醐味がここでも炸裂。マークラファロ、出てたんじゃん。あの“ハルク”がここにいたのか。

その他にも観たことある役者がそこかしこに。
さすがジョンウーの元に集まる戦争の猛者役はなかなか骨太なタフでインパクトがある。

この映画ではその激しいサイパン島での戦いや、その中で育まれる友情やなどアクションと人間ドラマに照準を絞ってる。

だから、ネタ的には“暗号”という知的な知略戦、かと思いきや、ジョンウーだけあってかなりゴリゴリのド派手な戦争アクション。

実際の戦争の現場はもうそんな細かいことは気にせず、とにかく命令に従って前に進む他ないのかもしれない。

ここ最近、何作かの戦争映画を観て思ったのは、日本軍側は「帰る、引き返す、諦める」は恥、となるが、それ以外の国の兵は「怖い、何とか生きて帰る」があっても良いんだな、と。
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