このレビューはネタバレを含みます
男を殺しては金を奪いヨーロッパ中を転々とするカトリーヌ(イザベルアジャーニ)と、彼女を執拗に尾行する探偵。この探偵が昔亡くした幼い娘のことに囚われていて、亡き娘とカトリーヌを重ねて見てしまうのですが…
カトリーヌの無軌道な行い、探偵の倒錯と嫉妬、別の追っ手との絡み、追い詰められた末のカトリーヌが選ぶ死への逃避、亡き娘の墓参り、諸々いまひとつ噛み合わなくてもどかしい感じ。だからイザベルアジャーニの七変化、千変万化とその美しさに注目が集まってしまうのも無理ありません。逃避行の過程に胸に迫るものをあまり感じることができませんでした。