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海猿 ウミザルのterusukのネタバレレビュー・内容・結末

海猿 ウミザル(2004年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます


青春群像ストーリーだ。
男らしい役者陣に、鬼教官、過酷な訓練、恋愛、仲間の死。
所謂、ベタベタな内容だ。
過去にこの手の内容は幾度となく制作された内容だが、これが詰まらないかというと、決してそうでもない。
役者陣は皆若く、芸達者な者は皆無だ。
伊藤英明は棒読みがかなり目立つ。
加藤あいも同様。
表情もかなりナチュラル。
にも関わらず、映画全体の雰囲気はアツい。
これはどういうことだろう。
しかし、周りの名前の無い役者陣はアツいからバランスはいいのかも知れない。

と、いうことでテレビドラマも観てみるとこれがまた悪くないのだ。
芝居がナチュラルなのはテレビの演技だからなのか。
むしろストーリーが良い。
展開が非常にスリリングでありながら、無駄な「跨ぎ」も無く、しっかり見せてくれる。
これはなんだろうと。

イマイチすっきりと納得いかないので、原作を読んでみる。
すると、アツいことは間違いないが、映画やドラマと印象がまるで違う。
はっきり言って面白くないのだ。
普通の漫画だ。

と、ここまで来て、本作に戻ってみる。
この作品、典型的ハリウッドなベタベタストーリーを、日本的風景をバックに日本的若者群像を描いた映画だ。
役者陣は若く、情熱的に、アツく演じている。
多くは未だに日の目を浴びていない者。
が、潜水士への情熱と役者自身の這い上がりたいという熱意が重なる。

青臭いのだ。


朗らかな気持ちになる作品であり、「平和的作品」なので、毒々しい気持ちにならないのかもしれない。
そんな気持ちの中では、あまり多くの感情の持ち合わせが無いのかも知れない。

夏にやっていれば、爽やかな気持ちにさせてくれるような作品。
映像的にも青臭く爽やかだ。

とにかく、テレビ局が中心に作った作品だ。
そこを理解して観ると楽しめる作品だ。
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