田最環

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>の田最環のレビュー・感想・評価

3.4
レンタル屋でパッケージに惹かれてはいたが未だ見ていなかった。
噂だと権利がどうのこうのでサブスクなどから消えるかもとのことで2023年映画納めの記念で視聴。

アメリカカリフォルニア州にあるバグダッドカフェにたまたま夫と喧嘩別れした婦人が泊まり、その周辺の人たちの交流を描いた話。
ドタバタコメディを想像していたが、思っていたより緩やかに時間が過ぎる様を描いていた。

青と黄色のコントラストが映えるような映像が綺麗。80年代と昔ながらも味のある映像がいい。特にブーメランを空に投げるところ。

序盤からカフェの主人ならぬブレンダが育児、仕事の多忙さからカリカリして苛立っている様が伝わる。
きっかけは夫がたまたまハイウェイに置いて去った魔法瓶をバグダッドカフェの主人サルが持ち帰ったところから始まる。


だんだんよそ者のジャスミンがブレンダの家族をはじめ、不器用ながらも他人へ善意の働きかけをすること相手もそれを受け取って信頼を得ていく様は、人種、国境、言語を超えて人は分かり合える様を描いている。

バーテンのカヘンガが好き。他所者にも分け隔てなく穏やかに接してるのがよい。

タトゥー屋の女性の価値観がすごい好き。
必ずしもみんな仲良しというわけではなく、こういった価値観も否定していないのが受けて取れる。
仲良くなるのはいいんだけど、一定の仲良しを超えると気まずいあの感じ。とくにあの辺鄙なところだとマジックで受けても一過性で飽きられると思うんだよな。

ジャスミンが夫と喧嘩した背景が気になるなぁ。
田最環

田最環