にこ

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のにこのレビュー・感想・評価

4.5
まず見終わって頭に浮かんだのが荻上直子監督の映画、かもめ食堂にめがね。
荻上さんがバグダッドカフェを意識して映画を作ったんではなかろうか??
あのカフェはかもめ食堂だし、砂漠の中キャリーケースを引いて歩いてくる様はめがねの冒頭もしくはラストを彷彿させる。

荻上直子監督が意識する映画、というのでどんな映画かだいたい想像できるように、すごくまったりした緩やかな時間が流れている映画です。
映像としては荻上直子監督の画には至らないけど、独特の雰囲気にのめり込んでしまいます。

主役のドイツ人ジャスミン(発音はヤスミン??)が夫と喧嘩して砂漠の真ん中にあるバグダッドカフェ兼モーテル兼ガソリンスタンドに辿り着き、長く滞在することになる。
商売成り立ってんのかわからないほど廃れに廃れたバグダッドカフェにジャスミンがやってきて、はじめ馴染めずよそよそしく邪険にされ、雰囲気は少しピリピリとしてしまっている。
でも少しずつジャスミンが店主のブレンダの娘と仲良くなり、息子と仲良くなり、インディアン風のおじさんに気に入られ、どんどんみんなの中に浸透していくその様がまるで砂漠に水が染み渡るような、そんな感じ。
まるでジャスミンが乾き切ったバグダッドカフェのみんなのオアシスになり、砂漠の中を走ってくるドライバーのオアシスとなるようなカフェへと変わっていく、そんなね。
はじめはぶっさいくなマツコデラックスみたいなデブな女が主役か〜とか思ってたんだけど、どんどんかわいく見えてくるマジック!
そして作中流れるcalling youがほんといい曲。曲名わからないけどじいさんがジャスミンの絵を描いてる時とかに流れるあの軽快な曲も好き!
全体的にすごく好きな映画でした!!!
にこ

にこ