だいすけ

フェイス/オフのだいすけのレビュー・感想・評価

フェイス/オフ(1997年製作の映画)
4.0
主演二人の演技を楽しむ映画だな。ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタが善人と悪人という対照的な役柄を表現する。前半と後半で正反対の演技をこなす二人の技。特にニコラス・ケイジがうまい。

この物語は、ショーン・アーチャーがトラウマを負った自分自身と向き合うことがテーマとなっている。胸の傷跡がその記号である。自分の顔を接合されたキャスター・トロイと対峙するシーンは、客観的に自分自身と向き合うことを意味する。一方、鏡に映るキャスター・トロイの顔を憎しみのこもった目で凝視するシーンは、トラウマを克服しようと葛藤する心情を表現している。特に印象的なのが、両面鏡が二人を隔てる左右対称形のショットで、両者が相手と対面する状況をうまく表現している。

ジョン・ウーの代名詞といえるメキシカン・スタンドオフのシーンは、多人数の膠着状態による張り詰めた空気が伝わる。その沈黙を破ったスロー・モーションによる銃撃戦のシーンは、これまた彼の代名詞だが、バランス感覚に優れている。

ショーン・アーチャーは、キャスター・トロイの元恋人であるサーシャと、その子供であるアダムに出会うわけだが、この二人はどこか「グロリア」を思わせるところがある。
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