前回に引き続き圧倒的な映像センスと世界観に魅せられる。アースごとに映像表現が異なり、多くのクリエイターが関わって一つの作品を仕上げているのだろう。アニメーション表現の可能性を追求した野心的な映画だ。
それぞれのスパイダーマンがキャラ立ちしていて飽きることがない。一同に会するシーンは非常に可笑しい。映像表現だけでなく、やり取りもまたコミカルで笑える。
世界を救うために、愛する人を犠牲にする。これはスパイダーマンの宿命ともいえる。実際、歴代の作品では、スパイダーマンは必ず身近な人を失う憂き目に合っている。本作の主人公であるマイルズは、この宿命に抗うことを決心する（このときの表情が抜群にカッコいい）。結果は続編に持ち越しとなったが、仮にこの決断が功を奏するならば、宿命の前に諦めとともに涙を呑む、あるいは過去に涙を呑んだ全スパイダーマンの「救済」につながるだろう。
次回作が非常に楽しみ。
