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セントラル・ステーションのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)
3.9
母親を亡くした少年と代筆業を営む独り身の老女が少年の父親を探す旅に出るロードムービー。
監督はウォルター・サレス。
ベルリン国際映画祭金熊賞、銀熊賞(女優賞)及び審査員特別賞受賞。
原題:(ポルトガル語) Central do Brasil、(英) Central Station  (1998)

リオデジャネイロの中央駅で代筆業を営むドーラ(フェルナンダ・モンテネグロ)は元教師だが、今では人間嫌いになって心が荒んでしまい、字の書けない人のために書いた手紙の殆どを実際には投函していなかった。
夫宛の手紙を頼んだ女性アンナ(ソイア・ライラ )が車に引かれて目の前で亡くなり、9歳の少年ジョズエ(ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラ)だけが残される。
ドーラは今度もその手紙を出さないで、その少年を養子縁組斡旋者に引き渡すが、同じアパートに住む元教師で友だちのイレーニ( マリリア・ペーラ)から、臓器売買組織だと知らされ、翌日慌てて連れ戻す。
売られて怒ったジョズエは手紙を取り戻し、住所を頼りに会ったことのない父親ジャズースのもとに、1人で向かおうとバスに乗り込む。
ドーラは、成り行き上やむを得ず、嫌々ながら同行する…。

その後の展開は、見てのお楽しみ。

~その他の登場人物~
・トラック運転手、セザール( オトン・バストス) 
・少年の異母兄、イザイアス(マテウス・ナシュテルゲーレ)とその弟、大工のモイゼズ( カイオ・ジュンケイラ) 

"記念写真と2つの手紙"。
そして、"もう一つの手紙"

「バスは路線が決まっているから安心。タクシーは決まってないから道に迷う。
どういうこと?
私の父が母への手紙に"毎日同じバスに乗るのは飽きた "…
"だからタクシーに乗った" …
結局、母はタクシーで空に消えた」

この作品は、独り身でもう若くない女性の再生の物語。
主人公ドーラは教師までやったのに、どうしてひねくれてしまったのか。
ドーラには父親との辛いエピソードがあったんですね。
トラック運転手とのシーンも切ない。
そして、ラスト…。
主演のフェルナンダ・モンテネグロがなかなかいい味を出しています。
少年役も好演。
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