不二子

ゲド戦記の不二子のネタバレレビュー・内容・結末

ゲド戦記(2006年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初のエアの創造からの引用部分が印象的。


原作から取り入れたらしいエアの創造がよかったと思う。

原作も読んだことなければあんまりジブリって言うことも考えずに鑑賞。三回目かな?

ここまで低評価なのにはびっくり。たしかにタイトルのゲド=ハイタカの戦記ではないし、説明口調なのが気にはなるが内容は映画としては良かったと思う。

映画を評価に流された観方で観て、評価しすぎじゃない?

最初の説明で自由でありたい龍は風と火を選んだとある。

最初の頃、アレンが正体不明なものに怖がる描写がある時には必ず風が吹く。これは後にわかるが一見死を恐れているようにみえるが実は生を恐れている。

クモは火をぱっと消す。これも同様のことがいえよう。簡単にクモは生を消してしまう。

処刑のシーンではハイタカが夜明けが近づくというがこれはアレンとテルー、つまり光や希望、生が近づくという表現。

クモが命を引き寄せる時、その命も光輝いていた。

テルーの顔に出来た傷は火傷によって出来たものという表現も単なる偶然ではなかろう。

龍は風をまとい火の子を散らす。

つまり龍の選んだものは、自由=風や火=光り輝く生命なのだと思う。

生と死、光と闇は表裏一体。この関係を履き違えたのが初期のアレンやクモなのではないだろうか。

死を恐れすぎるあまりに生きることにも臆病になっている。

ゲド戦記は内容だけでなく、映像や歌も良い。

低評価の人たちもここは評価していたようだが。

たしかに表現が怖いというのは分からなくもないが、内容が難しいと言われていたのは、数回観た上で、ゲド戦記の話のポイントさえ理解すればそんなに難しい話ではない。

私は好きな作品だ。
不二子

不二子