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アリスの恋のENDOのレビュー・感想・評価

アリスの恋(1974年製作の映画)
4.0
冒頭はガーランド『オズの魔法使』パロディ。もちろん美声とは程遠いアリス。ドリー・パートンが歌う『I Will Always Love You』が流れるバーでバースティンは若きカイテルに口説かれる。「ん・ん・ん!」ってな強制同意的頷きをすでに披露してるカイテル。すぐに露呈するヤバさ。亡き夫に感じていた恐怖がよみがえり硬直してしまう。暴力による抑圧は彼女を蝕むが、男なしで生きていくには社会はあまりにも過酷。引き裂かれるバースティンだが野卑なウェイトレス、ラッドにアドバイスを受け人間性を取り戻す。息子は悪戯ばかりで扱いにくいが、寡婦になってからモーテル暮らしで学校にも行かせず、友達とも会えずTVばかり観ていれば誰だって病む。クリストファーソンがデウス・エクス・マキナ!ようやく落ち着ける。手持ちカメラによる撮影がゆるい。牧場(特に乗馬シーン)を撮ることに全く興味がないスコセッシはやはりヒューマニスト(人間中心主義者)!ニューメキシコの親友役は『アメリカの影』のレリア・ゴルドーニ!バースティンとそっくりで姉妹みたい。
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