めちゃめちゃいい映画だった。
スコセッシ監督のタクシードライバー前夜に撮られた長編２作目だとは思えないぐらいに素晴らしい涙あり笑いあり渡る世間は人情ドラマ作品。
約2時間があっという間だった。
また主演のエレンバースティンがアカデミー女優賞を獲るのも納得な素晴らしい演技。
最近はB級な映画ばかり見てたのもあって、各シーケンスに対してカットとカットの間に必然的に差し込まれる状況説明も兼ねたテンポ感、それを突き詰めたフィルム編集のセンスに度肝抜かれつつ、各俳優の演技と配置も素晴らしいし、アメリカという土地における文化を表しながら、各箇所での会話のオチに対するこだわりには「どんな苦労があっても結局は人と人が助け合って生きていくしかない」というメッセージに溢れ、観る人が見たら何の変哲もないラストにすら鳥肌が立ってしまった。
この全体を支配しているお笑いな雰囲気にウォールオブストリートに近いものを感じたりもするが、不便ゆえに撮影方法を工夫するしかなかったような昔らしい独特の感性が、その状況状況を的確に人に伝えるための意識に集中していて凄い。
一見全く気づかない子役のジョディフォスターが男にしか見えないのが今のカミングアウトにも通じる気がして感慨深い。
