mare

顔のmareのレビュー・感想・評価

(2000年製作の映画)
4.0
この全編に漂うぬるい温度感、詰めるところは詰めるスリルさと砕けるところは砕けるユーモアさの塩梅が絶妙で普通とはかけ離れた視点での人間味を堪能できる映画だった。衝動的なものだったとしてもそれをきっかけにして人生の新たなステージや抑制の切れた解放感を全開にしてトントン拍子に人生が転がっていく様は痛快。視点を変えれば喜劇とも言えるだろう。登場キャラクターに強力なディテールがあるわけではないが、垣間見えるからこそなんだかんだみんなそれぞれ必死に生きている感じをあっさりと描いていて、リアルで思わずホッとするような表情の付け方をしている。人生どう転ぶか分からないということを斬新な切り口から体現している傑作。
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