何十年間振りに再見したけど、過去の感想は
「なんかつまんなかった」と思ってたんですよ。
しかし今回見直して「いや、結構面白かったぞ!」
に変わりました。こんな事ってあるんですね。
「エクソシスト」で心臓を患ったお爺ちゃん神父
のメリン神父が若かりし頃(25年前)の冒険譚。
パズスとの因縁の始まりの物語。
冒頭部分はまるで「インディジョーンズ」の雰囲気。
猿まで出てくるし(笑) そして砂漠の発掘現場に
似つかわしくない美人女医さん。
白人の横暴と現地人の土着信仰というギャップ。
ナチスの暗い影、いろんな要素を詰め込んで
メリン氏が一度捨てた信仰を取り戻す過程を
描いている。けっこう見応えある作品です。
緑色のゲロとか首がグルーッとは出てきませんが
要所要所にグロ描写を取り入れホラーというよりは
オカルト要素が強い構成になっています。
面白いのはこういった作品で「教会」はいつも
悪意に満ちた組織であることが多いということ。
神の家といいながら私利私欲で動いたり権力の
権化として「臭いものには蓋」的な欺瞞的行為
を隠匿するのが教会という存在なのです。
それに対して「個人の信仰」は純粋で価値があり
「命懸けで守る価値のあるもの」として描かれて
いること。キリスト教があまり布教していない
日本ではこの辺がぴんと来ないのかもしれませんが
キリスト教徒の「信仰とは」みたいな普遍的な
問いかけが土台にあると考えると非常に面白いと
思います。