みやっち

エクソシスト ビギニングのみやっちのレビュー・感想・評価

エクソシスト ビギニング(2004年製作の映画)
3.2
何十年間振りに再見したけど、過去の感想は
「なんかつまんなかった」と思ってたんですよ。
しかし今回見直して「いや、結構面白かったぞ!」
に変わりました。こんな事ってあるんですね。

「エクソシスト」で心臓を患ったお爺ちゃん神父
のメリン神父が若かりし頃(25年前)の冒険譚。
パズスとの因縁の始まりの物語。

冒頭部分はまるで「インディジョーンズ」の雰囲気。
猿まで出てくるし(笑) そして砂漠の発掘現場に
似つかわしくない美人女医さん。
白人の横暴と現地人の土着信仰というギャップ。
ナチスの暗い影、いろんな要素を詰め込んで
メリン氏が一度捨てた信仰を取り戻す過程を
描いている。けっこう見応えある作品です。
緑色のゲロとか首がグルーッとは出てきませんが
要所要所にグロ描写を取り入れホラーというよりは
オカルト要素が強い構成になっています。

面白いのはこういった作品で「教会」はいつも
悪意に満ちた組織であることが多いということ。
神の家といいながら私利私欲で動いたり権力の
権化として「臭いものには蓋」的な欺瞞的行為
を隠匿するのが教会という存在なのです。

それに対して「個人の信仰」は純粋で価値があり
「命懸けで守る価値のあるもの」として描かれて
いること。キリスト教があまり布教していない
日本ではこの辺がぴんと来ないのかもしれませんが
キリスト教徒の「信仰とは」みたいな普遍的な
問いかけが土台にあると考えると非常に面白いと
思います。
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