安堵霊タラコフスキー

パリ、テキサスの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.0
ヴィム・ヴェンダース作品で最も高評価を得ている映画の一つだけど、個人的には中々不思議な作品だ

テキサスの荒野だとか謎めいたハリー・ディーン・スタントンの挙動、そして彼と息子との交流等魅力的な要素は沢山あるのだけど、撮り方もオーソドックスなものばかりで何故あそこまで哀愁漂いつつも心地良い映像となっているのか、見る度不可解で堪らない

ロケ地やキャストが良ければ自ずと高い水準の映画が出来上がるとはよく聞くし確かにそう思うけれどもそれにも限度というものがあるだろうし、ヴェンダース作品の中での洗練度も確かに高いが手法的にはちょうど前後の作品(ことの次第とベルリン天使の詩)の方が秀でている印象だし、そういう撮り方等をより意識する身としてはベストには及ばない映画だった

……にもかかわらず同時にとても忘れ難い何度も見返したくなる映画となっていることに、見る度に首を傾げてならないが、これも映画の魔力というものなのか