このレビューはネタバレを含みます
1963年という時代を考えると、道男の様な前近代的考え方の男がいてもおかしくないか。むしろ町子のような考え方を持つ人の方が珍しいんじゃないか?
町子のは純粋に物事に疑問を持つちょっと変わったところもある人で、男が働き、女はそれについていくだけの暮らしにも疑問を持ち、最終的にその様な考え方を持った道男とは別れることになる。
町子はよく「どうして?」というセリフを言う。
今だったら町子のような考え方はなにも面白くもないけど、時代が時代なのでこれが大衆に受け入れられたのかは気になる。
少なくとも山田洋次はこの時点でその様な家庭の在り方や夫婦の在り方幸せの在り方について山田洋次自身が疑問を持って批判的であったことがわかった。特に疑問が強い。
山田洋次は映画の中で幸せとは何かという問いをよく立てている。中でも結婚という形についてはずっと映画の中で言及されている。
まさかこんな初期作品から山田洋次自身の思想が反映された作品を作っていたとは驚きだった。