TAK44マグナム

殺人蜂 キラー・ビーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

殺人蜂 キラー・ビー(2005年製作の映画)
1.2
なんだこれ。


「仮面ライダーキバ」で瀬戸康史のお母さん役であった加賀美早紀が主演した、キャンプしていた女子たちが殺人蜂の群れに襲われるパニックホラー。
加賀美早紀の他にも、佐野夏芽や華彩なな等、当時のB級グラビアアイドルが出演してます。
上野未来が準主役で、それなりに可愛い。
個人的には華彩ななが好きでしたよ。


田舎ホラーといえば殺人鬼に襲われるのが定番ですが、想像するに殺人鬼やゾンビだとゴア描写が大変だし、ちょちょいとCGで蜂を合成すればイケるっしょ!と安易に思ったんじゃないでしょうかね。
結果、全然イケてないんですが。

まぁ、ショボいです。
エモい画は皆無だし、音楽はそれっぽくもダサい。
緊迫感が感じられない演技と演出、そしてやたらと説明口調だったりする台詞。
ただひたすら名前を叫ぶだけだったり、感情がまるで伝わりません。

蜂の映画は以前から割と数多く製作されていて、「キラービー」とか「殺人蜂」とタイトルにつく映画は「キラー・ビー殺人蜂大襲来」や「キラー・ビー2013」、「キラー・ビーズ」等々、洋画なら数本あるし、蜂パニックと言えばポンコツ大作の「スウォーム」なんてのもありました。
それらの多くは70〜80年代の、しかもテレビムービーだったりするのに、そちらの方が100倍ちゃんとした映画になっているのはどうしたものか。

まず、全くと言っていいほど怖くない!
蜂は普通のスズメバチで、どうやら何故か凶暴化している様子。
だけど、群れが全身にびっしりとりつくとか、そういうショックシーンが無いんですね。
ただ、アイドルがワーワーと一人芝居で騒いでいるだけ。
で、いつの間にか一発刺されて死亡。地味かよ!
目を刺されるのも、刺される瞬間はカットされているので面白くも何とも無い。
こういうのは、ただ刺されて死んだ!とかじゃダメなんですよ。
蜂に襲われたから車の運転が出来なくて派手に事故るとか、そういう二次災害が起きてこそパニック映画なのです。
「スウォーム」なんて蜂のせいで原発が事故りますよ(汗)

また、蜂視点を導入しているのは良いのですが、どうにも効果は薄い。
どうしてだか複眼じゃないし。
「SF巨大アリの帝国」でさえ、ちゃんとアリ視点は複眼だったのに。細かいようですが、そういうところをちゃんとしてくれないと余計に締まりがなくなってしまうものなんですよね。

だいたいね、どうしてスズメバチが執拗に狙ってくるのか?
別に巣を破壊されたわけでもないのに。
どうやらテリトリーを侵されたからみたいですけれど、さすがにあそこまでしつこく襲ってこないでしょう。
ただ、スズメバチが凶暴なのは本当で、劇中のセリフに「虫に刺し殺されるなんて思ってもみなかった」みたいなのがありましたけれど、スズメバチに限っていえば世界最凶の生物はスズメバチだという説もあるぐらいです。一番、動物による被害が多かったような気がします。
でも、それにしたってイライラしたのか何なのか知らんけれど、いきなり人間を狙って攻撃はしてこないと思いますがね。
習性については本当にいい加減で、例えば焚き火に突っ込んで蜂が自殺してしまう。
確かに虫は火の明かりに寄ってきます。現に、昔、花火をやっていたらカナブンが蝋燭に突撃して焼け死んでしまったのを目撃しました。
でも、蜂がきた!→ライターでそこら辺の木を燃やす→狙いどおりに蜂は火の方へ→焼け死んで助かる・・・なにかの冗談でしょうか!?絶対にギャグだと思ったのですが、加賀美早紀の表情は真剣そのものでした。
どんな脚本なのか(汗)
もし山火事にでもなったら、その方がヤバいし(汗)


しかし、せっかくグラビアアイドルも出演しているんだから、これなら海で人喰いナマコにでも襲われる映画にしてほしかったです。
申し訳なさ程度に薄着で生脚のメンバーもいましたが、山のキャンプじゃ水着姿も見られませんから(というか、蜂が襲ってくるのに薄着だったり、気がしれない)。
ほんと、どこぞの映画じゃないですけれど、海へ行けばよかった!ですよ〜。
かといって、伝説のスーパー駄作「ジョーズ・イン・ジャパン」も(巨乳の水着姿だったけれど)救いようがなかったですがね。

唯一、褒められる点があるとすれば、邦画ホラーで生物パニックをやってやろうとした気概でしょうか。
あまり他に例が無いような気がします。昔の「昆虫大戦争」ぐらい?
日本だと怪獣映画になってしまいますからね。
「大群獣ネズラ」みたいに頓挫したものもありましたが・・・。
何というか、ただ単にアイドル女優を使う企画なら普通はオカルトものにしそうじゃないですか。
白塗りで狂った演技すれば良いだけだし。
なのに、わざわざ蜂ですよ🐝
チャレンジングではあるよねと、そこだけは評価できるので+0.2点を献上したいと思います。


Gyao!にて