らんらん

雲がちぎれる時のらんらんのレビュー・感想・評価

雲がちぎれる時(1961年製作の映画)
3.0
佐田啓二&有馬稲子主演のメロドラマ、カラー作品
助演は倍賞千恵子、伊藤雄之助ら
チョイ役ネタキャラで仲代達矢&渡辺文雄がカタコト軍人役で登場する

【あらすじ】
四国は高知の最南端、ここでバスの運転手をしている佐田啓二は乗客の中に有馬稲子を見つける

かつて有馬稲子と佐田啓二は幼い頃から姉弟のように一緒に暮らした仲であるが、お互い離れた暮らしになっても佐田啓二は有馬稲子が忘れられず遠く離れた大阪であてもなく何年もかけて探し出し一緒に暮らしていた時期がある
だが有馬稲子は何も告げずに失踪してしまい、それから数年の後、探し疲れた佐田啓二は地元に帰ってバスの運転手となり、バスガイドをしている倍賞千恵子と結婚間近の時期であった

諦めていた有馬稲子を見つけた佐田啓二は再び猛アタックをするのだが、有馬稲子は「私は奥さんになれるような女じゃない」の一点張りで断固佐田啓二を遠ざける

諦めきれない佐田啓二は何度も有馬稲子のもとへ通うのだが、次第に酒浸りの荒んだ生活になり仕事にも影響が出てくる

果たして佐田啓二は想い人の有馬稲子と幸せになれるのか、そして婚約者の倍賞千恵子とはどうなるのか、なメロドラマ

【感想】
うーーん、好きじゃないです

バレ描いちゃうと悲劇ドラマ、誰も幸せにならない救いのない後味悪いラスト

佐田啓二が業務で往復する峠の道があって
道が車幅しかなくて両脇は断崖絶壁っていうすごい所、ポツンと一軒家の山奥のシーンで出てくるみたいな所なんだけど、これ絶対事故起きるじゃんってわかるやつ
ほんといやなラスト、しかも事故起きてなくてもハッピーエンドじゃないし

結局佐田啓二は有馬稲子を諦めちゃって倍賞千恵子との結婚を選ぶ、なんだそりゃ
妻も子も捨てて追ってきたはずの渡辺文雄もあっさり諦めて帰っちゃうし、なんだそりゃ
有馬稲子が拒否るのは仕方ないけど、それでも諦めないのが男でしょうよ
そのしみったれた姿が情けなくもどかしい、鶴田浩二あたりならビンタ一発で解決してそうだもん(人生劇場新飛車角のシーンでそんなのあった)

この映画で良かったところは
有馬稲子の荒み具合が見事!見事すぎるところが男を諦めさせちゃうのかしら
だだ、昔の私じゃないからみたいな言うけど昔の回想シーンでもそんなに純情そうな感じには見えなかったりw うん、変わってないよ!佐田啓二がそれでも!って諦めなきゃハッピーエンド行けたはず

あとは、仲代達矢が面白い役w
日系二世のカタコト軍人の役、ちらっと出てきてオモシロを披露してさっさと戦死するネタキャラ、出番は少ないけどインパクトは凄い

伊藤雄之助は相変わらずクセのある胡散臭そうな喋りかたしてるけど、まさかのずっと良い人キャラ、これも珍しいと思う
らんらん

らんらん