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キサラギのおーたむのレビュー・感想・評価

キサラギ(2007年製作の映画)
4.3
何年ぶりかに再鑑賞。
一時期、「邦画はこっち方面で頑張ればいいのに」と思ったくらい感心した脚本は、今見てもちゃんとおもしろかったです。

正直、不満が全くないような作品ではなく、演技面は香川照之一人が持たせているよなーとか、笑いどころがハマってこないなーとか、結局件のアイドルの顔は見せちゃうのかーとか、最後のおまけのシーンはスベってるよなーとか、完成度の点で、もう少し洗練する余地はあったんじゃ…とは思います。
が、複線バシバシ張って、真相を小出しにしながら、どんどんパズルのピースをはめていき、最後に全て集束させる脚本には、観客にある種の快感をもたらす力があるとも思いました。
全員で真相らしきものにたどり着いたあとのもう一ひねり、ただひとり如月ミキの関係者ではなかった人物に絡んで真の真相が表れた時には、さすがに唸らされます。
脚本一本で勝負して、ものの見事に図に当たった、密室会話劇の佳作だと思います。
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