ナガノヤスユ記

第三の男のナガノヤスユ記のレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
4.4
久々に観るといやはや痺れる。


秀逸なコントラストの機微に満ちた画作りももちろんだけど、脚本の完成度も異様に高い。

悪魔に魂を売り渡し、地の底に堕ちたものは、たとえ埋葬を免れたとて、再び地上には返り咲けはしない。息詰まるような時代の切迫感。
終盤下水道の追跡シークエンスから哀愁漂うラストシーンまで、とことんドライで誠実な作り。

ただひとつ、耳馴染むこのテーマ曲を、いかんせん流しすぎ。