ぬーこ

第三の男のぬーこのネタバレレビュー・内容・結末

第三の男(1949年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

監督キャロル・リード
原作グレアム・グリーン 

舞台は戦後、連合国に分割統治されたウィーン。
三文作家のアメリカ人・ホリーは友人のハリーを頼って、ウィーンに訪れるが、ちょうどハリーが事故死した後だった。

ドイツ語が分からない主人公ってゆう設定が良い味だしてたと思う!街の人達の言葉が分からないから、戸惑う表情、そして場の雰囲気で言葉の意味を読み取る感じ

講演会での主人公とポペスクの応酬、いい感じ。お互いの顔のアップが交互に
次回作の小説に喩えながらの口論
斜め撮りもいい!

カフェで流れるような優しい音楽で消えたハリーの謎を解明していく

ハリーとの観覧車🎡での会話

ハリーを追って、下水道の中をひた走るジーン、光の眩しさ
そして、ハリーを失ったアンナは悪い男だと分かってもハリーへの思いを立ちきれない。ホリーの空振りのラストも良かった

○解説きいて
ホリーはアメリカの象徴。バカ。ジョイスも知らない、オペラもわからない文化的に進んでいないアメリカに占領されるヨーロッパ
プリッツラングの作品のパロディシーンが多い
ハリーは極悪人なのにアンナに惚れられ、動物に好かれ、ホリーは聖なるって意味があるのに人から好かれない
⭐︎ハリーとホリーは同じ人物の表裏、光と影。フィンチャーのファイトクラブと一緒

観覧車から街を見て、一つ潰してもいいと話す、ムスカの人がゴミのようだに似てる

なぜウィーンか。ウィーンは戦前差別を亡くし欧州中から有能な人を集めた(世紀末ウィーン)マーラー、ヨハンシュトラウス、カフカなど。でもその後ナチスドイツに入り、ユダヤ虐殺に加担する。一方連合軍も各地に無差別爆撃、ドレスデンは民間人しかいないのに捕虜もろとも教会を爆撃
そんな神も信じられない状態の欧州。
講演のテーマの一つ「信仰の消失」これがもはや映画のテーマ。
グレアムグリーン、カトリック。だけど売春しまくったり、祭壇の下で愛人と情事をしようとした。
演じたジョセフ・コットンとオーソン・ウェルズは実際に親友。第三の男は配役的に市民ケーンの続編っぽくなってる。
カートゴネガット

2020.150.
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