かずぽん

ムンクブローの伯爵のかずぽんのレビュー・感想・評価

ムンクブローの伯爵(1934年製作の映画)
3.0
監督:エドウィン・アドルフソン(1934年・スウェーデン・89分・モノクロ)

イングリッド・バーグマンがまだアメリカに渡る前の、スウェーデンでのデビュー作です。まだ19歳のバーグマンは、愛らしく活発な娘を演じています。

ストックホルムの旧市街地のムンクブローは、詐欺師、酒の密売などプチ悪党が蔓延る(はびこる)街で、丁度、金銀装飾品店を狙う強盗団の記事が新聞を賑わしていました。
タイトルにある“ムンクブロー伯爵”というのは自称で、職業は(多分)新聞屋です。彼は長期滞在用の安宿に住み、バーグマンの役どころはその宿屋の手伝いをしている娘・エルサです。
ある日、こんな安宿には不似合いな身綺麗な男(エドウィン・アドルフソン)がやって来て部屋を借ります。挙動不審で警察の目を気にしている様子から、住人たちは彼が世間を騒がせている宝石泥棒ではないのかと疑念を抱きます。さて、彼の正体は…?

気楽に楽しめるサスペンスコメディでした。
“伯爵”と呼ばれる彼と、魚屋の従業員グルカンのダジャレ大会。これはちっとも可笑しくはありませんが、グルカンの「ひゃひゃひゃひゃひゃ…」という笑い方に思わず苦笑。
例の安宿の住人たちが、魚屋の女将さんとグルカンをくっつけようと揶揄い(からかい)けし掛けています。ところが、女将さんはどこぞの金持風紳士にお熱で、おまけに名前も身元も分からない新顔の男にエルサは恋してしまった様子です。
宝石泥棒というサスペンス要素を織り交ぜながら、最後はラブコメの大団円。出来上がったカップルが三組も。
さて、肝心の泥棒ですが、最初から怪しかったので直ぐに分かります。(笑)

例の安宿に似合わない男ですが、演じていたのは監督のエドウィン・アドルフソンでした。その他のキャストについてはオープニングで確認したのですが、スウェーデン語なのでカタカナ表記にするのが難しく、割愛しました。
19歳の溌剌としたバーグマンを堪能してください。
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