安堵霊タラコフスキー

少年、機関車に乗るの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

少年、機関車に乗る(1991年製作の映画)
4.9
モノクロ1割セピア9割の映像で撮られたタジキスタンのバフティヤール・フドイナザーロフの代表作

貧しい兄弟が機関車に乗って父親を訪ねた後で帰る、言ってしまえばただそれだけの映画なのにセピア調の映像とタジキスタンの砂漠のような風土のために滅茶苦茶味わい深い作品になっていて、生涯忘れることがないであろう鮮烈な印象が記憶に刻まれた

しかしそれを抜きにしても、問題がありつつ仲が良さ気な兄弟の振る舞いや様々な人々と少しだけながら旅の途中で触れ合うロードムービー的面白さ、そしてどこか切なさを覚えるラストシーン等を台詞を少なめにしっかり描写で伝える監督の手腕が確認でき、カルト的人気のあるフドイナザーロフの流石の実力を感じた