ニューランド

月蝕のニューランドのレビュー・感想・評価

月蝕(1956年製作の映画)
3.4
✔️『月蝕』(3.4)及び『香港ノクターン』(3.1)『三太頑張れッ!』(3.5)▶️▶️

泰樹·番匠·そしてこの梅次ら、上映作は全てフォローという、コアなファンをかなりの数抱えてる、柔和に纏まったを超える魅力あるブランド作家ら。フランス留学の批評家等決して目をつけない(大島·泰·喜重·喜八·青山ら止まり)先入観に惑わされると職人見本風なので、真の映画ファンのメルクマールにもされる。若いのに仕事の合間にそれを実践してる人に、頭が下がる、こちらからはそこまでマメはあり得ぬ愛情·敬意。劣等感も抱き、当事者に逢うと賛美を贈る。
『月蝕』。新人時代裕次郎を見たく通ったが、グラグラふらついてるが、作家姿勢として、様々なチャレンジと根っこ真摯さで、高く評価したい。あるクラブの現場検証。各関係者の回想形式から、ドラマを纏めてく、4人のメイン男性がヒロインと実質巡り会った(バン·マスとしての主人公は形だけの付き合いでしっかり話したはこの日が初といった意味合い)日と、同じ形で未遂から完遂で凶弾にヒロインが倒れる日(未遂で強制送還的、恋に狂った比人の再来に無防備過ぎだが)迄を、遡って始めてく。荒れてるでは説明出来ない神秘美のヒロインの歌手の別の目的あるのでは?と、バンマス·サックス担当だが、屍ごときに前向き欠いた主人公。共に幸せな家庭が、自己の恋の破壊·母の離脱、で壊れ、自己も自堕落へ、と共通人生観分かってゆく。女は復讐の為、自分に夢中の男らを記事化や不渡り操作で、男の側は皆のめり込み真剣も、取引と線引き明らかにして(若いボクサーだけは試合での自死へ向かう)利用し·対象家を破滅させ、主人公は、母の代替えを求め、対象を自死らへ追い込む結果を招く。同じ半生に、全てを失った所からの人生再生に向かいだすが···の話。
白黒の照明の当て方や、縦や(真)俯瞰めの鋭く的確構図、フォロー以上に廻り·寄る·横滑る滑らかで締まった移動、対称やリズムを刻むカッティング、回想行き戻り、微かな希望の認知の希望も·懐旧と虚無へ戻る、米仏フィルムノワール手本は明らかだが、展開はキシッと照れもないが、きれい事が過ぎる、子供騙しの内容·展開は目にはつく。でも結局は清廉さが押しきる見事さ。友人の話だとシムノンの原作に基づいているようだ(が、やはり慎太郎原作止まりの気も)。
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『香港~』は当時の東洋一のショーbros.の大ステージでの、松竹の良重+倍賞+鰐淵のミュージカルのリメイクの華々しさ·スケールを期待したが、与えられたステージは割りとショボく分厚さめ欠いてスッキリ主体、スクリーンプロセスらの誤魔化し加えは味の一体あるが、父の不真面目さに対する三姉妹の真摯さ(公私を混合させぬ·プロ意識、夫の世界の支え、プリマドンナへの道)は、巧みに描かれるが、オリジナルにあったゴツゴツした手応えには欠ける。その分意志疎通の切返し群、ショーのステージとパフォーマンスの、滑らか果てないような一体纏まるイメージは、実にしっくり染み入ってはくる。
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『三太~』。通好みのこの作家には、凡人でも分かるインパクトしか求めないコチトラはあまり縁は持てないのだろうなぁと思ってるとこれだ。初期の作品で、大手のブログラミング·ピクチャーとは別個の、作り手の作法·内容ともに原点を確かめるような作。山深い田舎、祟りや女神への傾斜、鉱石ラジオからテレビジョンの文明の利器の力、そして拓けてない土地の特に少年の可能性に満ち土着を染み込ませた活力とピュアさ、まるで映画を志す人を最も啓発し続けてきた『ミツバチのささやき』に届かんとする作。内容よりも、ワンカットワンカットのプリミティブで正確なタッチが圧巻だ。
音楽というより動力を誘発するような音響とタイアップしての、パンクや転落に併せての、角度·サイズ·タイミング·速度の最上効果と溶け合ったカッティング。寄るやフォロー·パンらの動感載せの力強さ。広く味わいある自然空間やストーブらある教室での人(ら)の動き·位置に併せての、どんでんや90゜より斜めにズレよりフィットの切り替え。空や山や湖や家屋や道·校庭が染み込み拡がる。主人公の勉強より人望のイタズラっ子級長が中心にデンと。幻影や回想や広い話題ニュースら、新メディアTV映像(作中では35ミリフィルム代用)とその提供車らが、DIS等も使い無理なく優しくリンクしてくる。
父が湖端の小便で転落、長期療養になったを、授業で教わった鉱石ラジオのスポーツ中継で和まそうと、先生の見本·書籍紹介も受けて、イタズラ腕白から一変、殊勝に取り組む、タイトルロールの三太。恩師の幻と対し励まされ、湖の女神に祈りに行くとローレライ然の若い女と会う。湖底の村出、亡き兄の想い出の為の、東京からの定期戻り。その秘密を約すが、本家ラジオが学校から消え、疑いをかけられる。が、それは正月帰省の校長が、息子の為その間だけ借りてたと分かる。詫びの校長は、テレビジョン提供車の訪問を告げる。その大歓迎·大感激の村人の山。療養中の父も三太作のラジオのスポーツを聞いてて、興奮が身体回復へ。三太も、科学者という未来の夢が固まる。
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