エディ・カンターの強烈な個性が全編を支配している。
スタンドアップとサイレントコメディの魅力を併せ持つタフな芸人ぶりで、全く古びていない。
おかげでずっと笑いっぱなしだった。
踊りや物真似をひと通りマスターしたうえで、自分なりに崩す彼の技量は、天才的。
何より、抜群の歌唱力を笑いの方向へ活かそうとした発想が潔い。
また30年代ならではのどぎついユーモアセンスが横溢しており、冒頭からいきなりゲイネタ(パンジーとはゲイを表す隠語)。
ジョージ・ラフトがこんな映画に出ていたのにも、驚いた。
実はバークレイのミュージカル場面目当てで観たのだが、本作ではあくまで刺身のツマ。
ただしキャリア初期にも関わらず、すでにバークレイショットは導入されており、千手観音エアロビクスの完成度はバッチリ高かった。