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ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還のerikaのレビュー・感想・評価

4.5
「折れた刃が新たに研がれ
 無冠の者が再び王となろう」

長かった旅路も遂に最終章。ここまで3時間、3時間と続いて大変だったのに、3作目まさかの3時間20分はヤバ過ぎる笑 でも、実際には3部作の中で1番短く感じました。

滅びの山での決着に思い出したのがモリアでのフロドとガンダルフの会話の一幕。ゴラムに生きている価値がないというフロドに、ガンダルフが「ビルボの情けが大勢の運命を変えるかもしれん」と諭すシーンです。指輪を葬る旅の終わりを決定づけたのはゴラムの存在だと思えば、一時の選択がもたらす運命の重さに驚く。

そして、フロドが使命を果たせたのはビルボのゴラムへの情けだけが理由ではない。サムの善良な強さやアラゴルンの友への忠誠心、メリーとピピンの賢さと機転も欠かせないし、ヘルム峡谷でのハルディアを始めとしたエルフ達やボロミアのような悲しい代償もあった。もっと言えば『ホビット』での出来事や『力の指輪』でこれから描かれるであろう多くの選択や代償がこの結末に繋がっているんですよね。

その内のどれかが欠けてしまっていれば中つ国は闇に潰えていたかもしれない。脈々と受け継がれた思いと折り重なってきた運命を思うと、『指輪物語』はなんと壮大な物語なのかと改めて圧倒されてしまいました。これから先こんなにも圧倒されるような映画には出会えないかもしれないなと思ってしまう。こんなにも壮大な作品を1作品1作品が長時間とはいえ、よく3部作で収めきったのは本当にすごいことです。

旅の終わりに別れはつき物。旅の終わりを嬉しく思う気持ちと、これで全て終ってしまう寂しい気持ちが半々です。そういえば、9人の旅の仲間を演じた俳優達は体にエルフの"9"を表す文字のタトゥーを入れているんだとか。旅が終っても旅の仲間の友情が続いているようで寂しさも和らぐかな。ドラマの『力の指輪』はまだこれからだし、またどこかで馴染みの登場人物達に会えることを待ってます。
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