映画館のIMAXで鑑賞。既に何度も見たことがあったはずだが、こんなにいい映画だっただろうかと驚くほど印象が違う。やはり映画館で観るべき映画ってのはあるんだな。直前に本を再読したのも良かったのかもしれない。完璧なタイミング、完璧な鑑賞方法で観れたという点が大きかったのだろう。
英雄的な個人の活躍も勿論良いのだが、やはり自分は名もない人々の意志によって生まれるうねりに胸が打たれる。
烽火のシーンと、そこから続くローハンの出撃のシーンで思わず泣いてしまった。ローハンのテーマがまた良いのだ。つんざくようなフィドルの音色と共に甲冑姿の騎馬隊が河となって疾走する姿を見るだけで涙が堪えられなくなった。
サムワイズ・ギャムジーという人物の得難さも、時が経つごとに染みてくる。ああいう素朴さ、無償の愛情というものの良さ。幼い頃に観たときは、指輪の魔力の表現に息苦しさを覚えるばかりであったが、改めて見返すとフロドの背負っている重みや痛みもひしひしと感じた。
今までは「二つの塔」が一番好きだったが、今回の「王の帰還」がそれを超えてきた。前2作も映画館で観るべきだったと激しく後悔している。