これ、ドキュメンタリー風ですがフィクションですよね?
まあ、そういう区分けが曖昧というか、意味がないのがキアロスタミ映画の魅力ではあります。
「友達のうちはどこ」のロケ地で地震があり、その映画に出演していた男の子を探しに車でその村に向かうというシンプルなストーリー。
車窓から見える地震で破壊された街と、そこに暮らす人々を映すロードムービー。でも、悲惨な状況を訴えようとかはあまりしないんです。被災した人々も、家が潰れ、下敷きになった家族がいるのに、なんか飄々としてるというか、、。なのに、さりげないシーンにどきっとさせられたり、いつの間にか見入ってしまいます。何の飾りも足さずに、これ程圧倒的な映画を撮れるのが、キアロスタミの真骨頂なんでしょうね。
男の子を探しに行くのに、目的地に着く前に映画が終わってしまうというのもまた、キアロスタミらしいはぐらかし方です^_^
ジグザグ道を、登っては止まり、もう登れないとあきらめて、一旦下り始めたけれど、また登るポンコツ車は、まさに人生そのものです。