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カタコンベの一人旅のレビュー・感想・評価

カタコンベ(2007年製作の映画)
3.0
トム・コーカー&デヴィッド・エリオット監督作。

パリ市内に実在する地下墓所を舞台にしたスリラー映画で、米国人女優のシャニン・ソサモンがひたすら泣き叫ぶスクリームクイーンを熱演しています。

ソルボンヌ大学に通う姉に会うためパリを訪れたアメリカ人のヒロインが、パリの地下に存在する約600万体の遺骨が埋葬された地下墓所(=カタコンベ)で迷子になり、邪教集団が生み出した猟奇殺人鬼に命を狙われながらも脱出を図る―という密室シチュエーションのサバイバルスリラーです。

無数の骸骨が積み上げられた実在の地下墓所を舞台にノンストップで繰り広げられるヒロインvs覆面殺人鬼の命懸けの追いかけっこ&攻防にハラハラさせられる作品ですが、演出上に難ありのため、心の底から恐怖を味わうには至らない期待外れな密室スリラーとなっています。また、カタコンベは外の光が差し込まない暗闇空間のため、観客の恐怖心を煽るための肝心の骸骨が良く見えないという本末転倒な状況に陥っています。

それでも、出口の見えない地下墓所でのノンストップサバイバルには恐怖と絶望が絶え間なく画面に漂っていますし、良くも悪くも観客の意表を突いたオチも印象に残ります。

蛇足)
本作に類似したシチュエーションの映画にはニール・マーシャル監督『ディセント』(05)が挙げられ、作品の完成度もそちらの方がずっと格上です。
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