このレビューはネタバレを含みます
1963年につくられた三隅研次監督作品。大阪は船場の老舗商家を舞台に、大旦那の遺産相続をめぐって争う三姉妹や大番頭らの醜い姿を鮮烈に描いたブラック・コメディ。
こないだはスティーブン・キングの原作映画に面白い物なしと書きましたが、山崎豊子原作の映画は逆に面白いものばかりですね。60年代70年代の日本映画が熱かったのかな。でも『沈まぬ太陽』は2009年。やっぱり原作に力があるのでしょう。
この女系家族も素晴らしゅうございました。出てくる人ほとんど狡っからい小物ばかりでね。もうずーっとムカムカさせられましたわ。それゆえにあの結末の爽快さと言ったら昨日の『スティング』にも負けてません。婿どんしてやったり。が、まぁ、お妾役の若尾文子さんあってこそですけれどね。
中村鴈治郎演じた大番頭さんはちょっと可哀想でしたかね。番頭さんってあんな感じよねぇ。