masahitotenma

地下水道のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

地下水道(1956年製作の映画)
4.0
ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督による“抵抗3部作”の第2部(第1部「世代」、第3部「灰とダイヤモンド」)。
ワルシャワ蜂起したポーランド兵がドイツ軍に追いつめられ、地下水道をさまよう姿をドキュメンタリー・タッチで描いた代表作。
撮影はイェジー・リップマン、音楽はヤン・クレンズ。
原題:Kanał (1956)

1944年9月末、ワルシャワ蜂起は悲劇的な最期を向かえようとしていた。
旧市街とヴィスク河地区はドイツ軍に占領され、中央区、北区、南区もドイツ軍の砲弾に曝されていた。
そんな中、ザドラ隊長率いる中隊も70名が43名に減少。
袋のネズミで退路が無くなり、指令部の命令で、地下水道を通って、中央区ヴィチャ街へ撤退を余儀なくされる。
中盤からは、3つのグループに分かれて、地下水道の中で延々と物語が展開する…。
①致命的な負傷を負った学生兵士コラブ("船")/ヤチェック(タデウシュ・ヤンチャル)と道案内役で彼の介添えを申し出たデイジー(テレサ・イジェフスカ)の若い男女2人の物語
②酒に逃避する副官のモンドルイ("賢者")中尉、彼を独身だと思い愛する連絡軍曹のハリンカ(テレサ・ベレゾフスカ)、繊細な音楽家ミハウ(ヴラデク・シェイバル)の3人の物語
③先を行く隊長のザドラ("破片")中尉(ヴィンチスワフ・グリンスキー)、記録係クーラ("砲丸")軍曹、コラブの部下スムクウィ("背高男")ら主力部隊の物語。
それぞれ、どのような道を辿るかは見てのお楽しみ。

「先に行けとの伝言です」
「ヤネックを愛してる」
「我が中隊はどこだ」

死に向かう戦争の地獄絵を厳しい視線で描いた作品で、「灰とダイヤモンド」よりこちらの作品を推す。
masahitotenma

masahitotenma