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ロボット刑事のmitakosamaのレビュー・感想・評価

ロボット刑事(1973年製作の映画)
3.0
例によって東映まんがまつりの1本だけど、他の東映特撮のヒーロー物のブローアップ版と違い、1〜12話の総集編なんだな。
他の映画が一話だけをチョイスしているので、単品の映画として一見さんお断りだけど、その意味では話は通じる。
しかし30分の尺でダイジェストだから、展開早い早い。とにかくナレーションで畳み掛けるから、もう考える余地も無い。

犯罪者に加担するシンジケート「バドー」。
それを追うロボットの刑事「K」。

バドーが派遣するロボットが12話分、立て続けに登場するのが、もう可笑っくってしょうがない。
ワッカマンが現れた。ワッカマンを倒した。
テナガマンが現れた。テナガマンを倒した。
ジリキマンが現れた。ジリキマンを倒した。
輪っか、手長、磁力。手長って…
更にカメレオンマン、ナナツマン、コワシマンが出てきて、もう笑いが止まらないよ。
壊しマンだよ。壊しマン。腹いてぇ。

更にヒコーマン、カミナリマン、コシカケマン、ロッカーマン。すげー面白い。腰掛けマンは椅子なんだ。ロッカーマンは四角いロッカーなんだよ。
最後に強敵スプリングマンと戦う。ビョーンて跳ね回るんだ。格好いい。

Kはまあ格好良いよ。如何にも典型的な石ノ森デザイン。
しかしダイジェストだから敵ロボを倒すシーンの連続。「ゴー!」と上着を脱いで胸を開いてマシンガンをガガガがと発射。コレが数分おきに繰り返される。腹いてぇ。
でもちゃんとポエムを書くシーンもあるよ。

スプリングマンとの戦いでマザーに修理に入ったりもする。「マザー」と叫ぶとどこからともなく観音様型の巨大メカが現れる。
キカイダー01が仁王像から出てくることめあるし、仏教的な庇護は共通するモチーフだよなぁ。

色々面白いところがあるんだが、一番なお気に入りは、千葉真一のくだりなんだ。
新絛強刑事の兄が敬太郎。千葉治郎の実の兄の真一のキャスティング。これをわざわざナレーションで説明するんだ。
「新絛敬太郎を演じるのは千葉真一だ」って、ここだけ急に制作についての説明が入る!嘘ぅん!
千葉真一は確かに他のキャストより大御所だから、多分そこを売りにしたかったんだろうけどなぁ。余りにも唐突だよ。

なんというか、圧倒的な展開の速さに、友達と飲みながらゲラゲラ笑って鑑賞したい、そんな1本。
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