ユート

ディパーテッドのユートのレビュー・感想・評価

ディパーテッド(2006年製作の映画)
3.3
レビューお引越し中。

タイムラインうざかったらしばらくフォロー外してくだちいm(_ _)m

ギャング映画の巨匠マーティン・スコセッシによる、大ヒット韓国映画「インファナル・アフェア」のハリウッドリメイク作品。
初めて見たときはあんまりな感想だったけど、改めて見るとなかなか面白かったです。

まず原作は見てないけど、設定がクソ面白い。
警察に潜り込んだネズミとマフィアに潜り込んだネズミ。
互いの任務をこなすため、お互いを探し出すため、二人のネズミの運命が交差する。

なにより本作、キャストがとてつもないです。
マフィアに潜入する警察のネズミ、ビリーにレオナルド・ディカプリオ。
警察に潜入するマフィアのネズミ、サリバンにマット・デイモン。
マフィアのボス、フランク・コステロにジャック・ニコルソン。
まずこの3トップ。
この3トップが交差するというだけでも見たくなる作品です。

ジャック・ニコルソンはもう声からしてズルい。
電話越しでもあ、こいつボスだわ。と思わせるほどの貫禄ある声。
シルエットだけでもボス。
歩きかた、表情、目…完全に暗黒街のボスになりきってました。
そんな風格のおかげでよくわかんねぇことを喋っていたとしても、とにかく凄いこと言ってるように感じさせます。
これが名優の力なんでしょうね。
絵を締めるために映画にはやはり名優が一人は必要です。

本作から新たな一面を掘り当てたディカプリオ。
本作以前はどの作品も王子様的な役ばかりで世間でもレオ様レオ様と呼ばれていました。
しかし、本作にレオ様はいません。
マフィアに潜入する警察というどう見ても死と隣り合わせ、しかもそれを知る味方はほんのわずかという極限の状況。
その中で必死に生き、任務を全うしようとするディカプリオが堪らなく渋いんです。
映画はディカプリオサイド、マット・デイモンサイドと交互に進みますが、この渋さが良すぎて早くディカプリオサイドが見たくなるほど。
この渋さから新たな一面を引き出し、本作以降の出演作には渋めな配役が増えました。(「ブラッド・ダイヤモンド」、「ワールド・オブ・ライズ」、「インセプション」、「シャッター・アイランド」等々)

そしてみんな大好きマット・デイモン。
彼には珍しくヒロイックな役ではありません。が、ここがミソ。
警察に潜入するマフィアのネズミ。
表面から見たらヒロイックな存在でなければなりません。
世間が感じるマット・デイモンのヒロイックなイメージをわざと悪に染めることで、鑑賞者が感じる違和感をそのまま映画に投影しているのだと僕は思います。
この3トップのキャスティングは本当に見事。さすがマーティン・スコセッシといったところでしょう。


脇を固めるキャスト達は、
ビリーの潜入を知るクイーナン警部にチャーリー・シーンとエミリオ・エステベスの実父マーティン・シーン。
こちらもジャック・ニコルソンとは真逆の正義のボスとして十分な貫禄を持っています。

もう一人ビリーの潜入を知る、ディグナム巡査部長に大好きなマーク・ウォールバーグ。
少年時代、実際にアウトローだった経験からか悪口のキレが半端ない!
見てるこっちがいや、そこまで言わんでも…と思うほど。笑
しかし、悪口ばかりでもう少し活躍する場があってもよかったかなと。なんだかただのビックマウスのようにも見えてきてしまいます。

サリバンの上司エーラビー警部にはアレック・ボールドウィン。エリート部隊のボスにはもってこいですね。
サリバンの同僚にはまだ無名のジェームズ・バッジ・デールも出演してました。

そして本作の紅一点。ヒロインを務めるのは当時まだ名前があまり売れてなかったヴェラ・ファーミガ。
よくぞ起用してくれた!
まじで好きだこの人。
通った鼻筋がとても魅力的ですわ〜。
しかも女医!たまらんですわ。

こんな凄いキャスト達でマーティン・スコセッシが手がけるひと時も目が離せないサスペンスなんだからつまらないわけがない。
それに加えて音楽がいいです。

ただラストだけは個人的に好みじゃありませんでした。
どうしても自分にはやっつけに感じてしまいます。
リアリティあるラストなのかもしれないですが、それまで映画的な展開で進んでおいていきなりリアリティをつきつけられても納得できませんでした。
ユート

ユート