ブタブタ

ディパーテッドのブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

ディパーテッド(2006年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

久々に見返してこんなに面白かったかな?と驚きました。

映画館で見た時は『インファナル・アフェア』のリメイクと言う意識が強すぎて純粋に楽しめなかったのかも知れません。
それと舞台となるアメリカ・犯罪都市ボストンやマフィアとアイリッシュギャングの対立や移民の歴史言った背景の事をよく知らなかったせいも有り。

インファナル・アフェアは無限道(無限地獄)のタイトル通り東洋の仏教思想や香港の任侠映画の世界だったせいもありキャラクターの苦悩や哀しさがストーリーの根幹にあった様に思いますがディパーテッドはもっとクールで渇いた世界、ギャング組織と警察の仁義なき戦いにおける「頂上作戦」にあたるマフィアの殲滅作戦が描かれ虚々実々の駆け引きと冷徹なまでの非情な組織同士の戦い。

インファナル・アフェアは男同士の「情」や己の「信念」と言った物が行動原理だった様に記憶してるのですがディパーテッドはあくまでも個々のキャラクターは巨大な組織や進行中の作戦の「歯車」の一つに過ぎず、それぞれが淡々と己の役割を冷徹な迄に無感情にこなしていく姿が堪らなくかっこいいですし特に「覆面」の指揮官であるディグナム上級巡査部長(マーク・ウォルバーグ)のスラング・罵詈雑言・汚い言葉だらけの台詞の嵐はフルメタルジャケットのハートマン軍曹に匹敵すると思います。

ポスターにはビリー(ディカプリオ)コリン(ディモン)ともう1人コステロ(ニコルソン)が並んでるんですけどこれはコステロもFBIの協力者つまり「ネズミ」だったと言う事を表してると後から気付きました。

邪魔者を全て片付け最終勝者かと思われたコリンの前にディグナムが何の前触れもなく突然現れ一瞬で撃ち殺す鮮烈なラスト。
その呆気なさ。
まさに完璧でした。
ブタブタ

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