エンポリオ

ファイト・クラブのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

性根の腐ったラブストーリー。
自動車会社のリコール部門で働く主人公は不眠症に悩まされている。症状の改善にと、迫り来る死や身体の不健康、不満足に悩む人々の集まりに顔を出したことがきっかけに彼の生活が、少しずつ変わり始める。彼の人生の行く末は一体。
その描かれ方やイメージは多様だが、二つ以上の人格を保持する人物を中心とする物語は多く存在する。その中でも、引っかかっていた出来事が徐々に解消されていったり、何の?どんな?映画なのか物語の進行に合わせて掴めていく点などからこの作品はかなりの良作と感じた。
不眠症という主人公の持つ悩みが冒頭で明かされ、その要因がじわじわと明らかになっていき、結末を迎える。不眠症だけに限らず主人公が抱える悩み、惑いに立ち向かうためのキーパーソンとなったタイラーと邂逅するのは会合でマーラと出会った後の出来事であった。マーラと出会ったことで自己の中に変革が起きようとしていたのであれば、人格をツールとした変化球のラブストーリーという物語の骨格が少しは鮮明に浮かび上がってくるように思える。
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