Ryoko

悪人のRyokoのネタバレレビュー・内容・結末

悪人(2010年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

自分の価値観、そして社会の当たり前を疑いたくなるような映画。でも何が正解かはわからかないし考えてもたぶん答えは出ないんだけど、強制的に思考回路をぐるぐると動かされる感じ。特に「悪人とは誰なのか」について。被害者を蹴り飛ばした大学生か?自分の不注意は棚に置き主人公を逆恨みしてレイプ犯のレッテル貼ろうとした被害者か?殺人を犯した主人公か?
深津絵里演じた女性が印象的だった。「こんな気持ちになったことがない」と言っていたように、自分でもよくわからない情動に突き動かされ、後先のこと考えず求めてしまう。。「好き」「一緒にいたい」「好きな人を感じていたい」という気持ちだけ。理性とか世間体とか常識に邪魔されない世界。少し羨ましいとさえ思った。
「怒り」と同様、「大切な人の存在」というのが根底にあった映画のように思う。
ラストの妻夫木の行動も愛ゆえ。大切な人を守るために自分が悪人になってみせたのだと信じたい。
そして柄本明と樹木希林の存在は反則でしょう。。柄本明のラストの台詞は突きつけているな。「自分は余裕のある人間だと思って、失くしたり欲しがったりする人を馬鹿にする。これじゃいかん」声を大にして、
「そのとーーり!!」と言いたい。
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